多細胞化の仕組みをさぐる
現在取り組んでいる課題、これから取り組みたいと考えている課題は次のとおりです。
1. 原形質連絡を介した細胞間コミュニケーションをマイクロインジェクションや光変換蛍光タンパク質を用いて進めています。
2. 原形質連絡を介した細胞間相互作用を制御する新規分子のスクリーニング
3. 環境ストレスに応答した細胞間コミュニケーションの動的な変動の分子制御機構の解明
4. 細胞外マトリクス(細胞壁タンパク質)が外部環境を感知して、そのシグナルを細胞内部に伝達する分子メカニズムの研究
研究内容をさらに詳しく
植物は独自の細胞間コミュニケーションを行っています。その代表的なものは原形質連絡とよばれるもので、植物の各細胞は原形質連絡によりつながっており、この通路をmRNAや低分子RNAあるいはタンパク質が移動することで、細胞の分化状態や外部環境シグナルの伝達が制御されています。私たちは最近、このような細胞間コミュニケーションを可視化し、定量解析できる実験系の開発に成功しました(図)。この系を用い、ライブセルイメージングと数理解析を組み合わせることで、原形質連絡を介した細胞間コミュニケーションの分子制御機構を解明し、植物特有の情報伝達を明らかにし、“植物の感覚”に迫りたいと考えています。
研究者
藤田研究室
藤田知道 Tomomichi Fujita
大学院理学研究院 生物科学部門 教授